板金塗装工場に直接依頼するお客様のメリットとは

板金工場に直接依頼するお客様のメリットとは

◆自動車ディーラー(販売店)と鈑金塗装工場の関係性と業界の現状

ほとんどの街の板金塗装工場は、自動車ディーラー(販売店)に依頼のあった修理の仕事をもらって経営しています。この元請け(ディーラー)と下請け(板金工場)の業界の繋がりは、車を修理したいオーナー様には直接関係ないように思えますが、実は車の修理の仕上がり具合に大きな影響を与えています。最悪の場合、オーナー様自身が不利益をこうむる恐れもあります。今回はその原因を考察していきます。

Q.なぜディーラーが下請けの板金塗装工場に仕事を依頼するのか?

【理由】人通りの多い路面店では工場の併設が難しい

自動車ディーラーと整備や車検を行う工場が併設されていることは珍しくありません。一方で塗料やシンナーといった有機溶剤を扱う板金塗装工場を併設して管理することは、環境や騒音、人材育成、立地、設備といった面で難しいため、事故車の板金塗装は下請けの工場に依頼することが多いのです。複数店舗を展開するカーディーラーの中には、自社で板金塗装工場(いわゆる内製化工場)を運営し、各店舗に入庫した車を自社工場に回送して修理している場合もありますが、実際に作業しているのは外注の板金塗装職人というケースも見受けられます。

Q.なぜ板金塗装工場はディーラーの下請け仕事を受けるのか?

【理由】職人は営業や接客が苦手な人が多い

板金業界に限らず職人と呼ばれる方に見られる傾向ですが、営業や接客といったお客様とのコミュニケーションが苦手な方が多いように思います。だからこそ技術力を磨いて職人と呼ばれるまでの腕前を身につけられていると思いますし、技術がなければ安全・安心な修理品質やサービスをお客様には提供できません。集客力を補強するためにディーラーと関係を築き、下請け商売をされている板金工場が多いのです。ただコミュニケーションの必要な交渉事も苦手なゆえに、ディーラーからの悪条件を呑んで仕事をとっている板金工場もある事例が散見しています。

保険修理だと費用は気にならないからとりあえずディーラーへ?

板金塗装には「保険修理」があります。車両保険の免責金額を除けば自分の財布からの出費は無く、保険会社が修理費用を支払ってくれるので、車が綺麗に直れば修理費がいくらかかってもあまり気にならないという方は多いと思います。ですから保険修理の場合、修理代の高い安いを気にしなくていいし、車を購入したメーカーの看板を掲げているディーラーに頼めばひとまず安心できるということで、修理を依頼するのだと思います。

自動車ディーラーにとっての板金ビジネス

保険を使うほどの事故でなければ自費での修理となりますが、金額が大きくなるほど保険を使った修理になることが多く、一件で数十万円~の売上げになることは珍しくありません。そのため板金塗装はディーラーにとってはサービス売上の大きな柱になるわけです。ではカーディーラーは板金塗装の仕事を外注工場に依頼することでどのように利益を得るのかと言いますと、主に以下の2点があります。
自動車ディーラーにとっての板金ビジネス

【収益】交換部品を外注工場に支給する

自動車メーカーとディーラー(販売店)は非常に強い取引関係ですので、一般的な整備工場よりも部品を安く仕入れることができます。これに部品の利益を乗せて外注先の板金工場に支給します。

【利益】作業工賃を割引かせる

お客様からの修理依頼を取り次ぐディーラーが利益を得るのはビジネスとして当然の事なのですが、驚くことに昨今では工賃の40~50%程を割引かせて作業を外注しているという話を耳にします。板金工場は交換部品の売上に対する利益はほぼありません。ですから板金工場は時間と技術の対価として「工賃」をいただいて経営をしているのですが、利益の根幹となる工賃をカットされる前提で修理を行わなければなりません。

ディーラーの下請けでは丁寧な仕事は難しい

工賃の40~50%引きという取引条件は極端な事例ではありますが、ビジネスとしては異常なレべルと言わざるを得ません。なぜなら職人さん達の給料、土地や建物の維持管理、機械設備・材料などの費用の採算をとれないからです。このような経営環境で事業を継続していくためにはどこかにシワ寄せが行くのは当然だと思います。自動車オーナー様のために丁寧な仕事を心がけたくても売上げと納期に追われるばかりとなってしまい、修理品質を高めることができなくなってしまいます。

最悪なのは「安かろう悪かろう」というおざなりな修理になってしまうこと

たとえば作業に使うパテや塗料といった材料です。コストを抑えるために安い材料、そして早く乾燥・硬化して研磨などの作業が楽になる材料を使わざるを得ません。材料の品質を落とせば、いくら腕の良い職人が作業してパッと見は直っているように見えても、納車した後の早い段階で修理品質に悪影響を及ぼします。それでもとにかく作業台数を多くこなさなくては売上が稼げないので、必然的に質よりも量を追う悪循環になってしまうのです。

◆街の板金塗装工場に依頼する

最近ではインターネットを利用して脱下請けを図ろうとする板金塗装工場が多くなりました。オーナー様にとってもインターネット検索で工場選びの選択肢が増えています。

多くのカーオーナー様がディーラーに板金塗装を依頼する理由は、やはり安心感があるからではないかと思います。仕上げもきっと悪くないだろうし、何か不具合があってもキチンと責任をもって対処してくれる、そして何より自動車メーカーの看板を背負っているという安心感です。

一方、街の板金塗装工場に直接修理を依頼することに対しては、逆の不安感を抱かれる方が多いかもしれません。仕上がりは大丈夫なのだろうか、不具合があった場合でもきちんと対応してくれるだろうかという不安感です。我々街の板金塗装工場は、お客様がそういう不安感を抱いていることを察し、下請仕事ではなくサービス業としての自覚をしっかり持って、お客様に安心感を与える努力をしなくてはならないと思っています。

それを前提としてオーナー様には、ディーラーに修理を依頼しても実際に作業しているのは下請けの板金塗装工場であることが多いという業界の現状を理解して頂き、それならば街の板金塗装工場に修理を直接依頼すれば、修理方法を詳しく説明してもらえる、丁寧な仕上げをしてもらえる、ディーラーに依頼するより費用面でも代車などのサービス面でもメリットがあるということを知っていただけたらありがたいです。そして当社も皆様の板金塗装工場選びの選択肢の一つにしていただければ幸いです。

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