防錆したのに錆びが出ている?
他社で中古車(2017年式のホンダ・フリード)を購入されたお客様からサビについてご相談がありました。
新車時にアンダーコートをしていると思われるが、既に錆びているように見えるとのことです。リフトアップして、サビの進行具合を確認・検証しました。
※この車両は、2019年にご入庫いただきました
アンダーフロア全体
表面がつや消しの黒色に見えるのは防錆剤が施されています。小さいですがところどころサビが浮いてきているのが見えます。
フロントサスペンションサブフレーム(エンジン後方)
弧になっているフチの部分が既に腐食しています。聞くと北海道から仕入れた車だそうで、潮風の影響を受けやすい沿岸地域だと想像できます。
マフラー
マフラーは全体的に錆びがかなり進行していました。数年後には穴が開いて交換が必要になります。
デファレンシャル(後輪駆動部)の周辺
パネルの継ぎ目(溶接箇所)や凹凸のある部分は、水滴が貯まりやすくサビが出やすいです。茶色がかっているところは錆びが出始めています。
バックパネル(トランクの下回り)
やはりフチや溶接箇所は水が抜けきれずに錆びてしまいます。
サイドシル周辺
サビが湧き始めているのを見ると表面は保護されていても「裏側」は錆びている可能性が高いです。
足回り
ボンネット
アンダーフロアと同様に水抜き穴、水が貯まる場所は錆びています。
防錆しても錆びてしまう原因は、内部の防錆をしていないから
なぜ防錆したのに錆びるのでしょうか。潮風や融雪剤といった日常的に塩気のある地域にお住いの方は、車が錆びてしまう危険性が高いです。おそらくこのフリードの最初のオーナー(おそらく北海道の方)も、錆びるリスクを考えて下回りの防錆をしたはずです。なのに現状は2年ほどで錆びが出始めています。
その理由は、内部まで防錆剤を浸透させていないからです。
車体の内部には水分がたまりやすい
車体(アンダーボディ)には内部の水気を排水するための穴があります。
特に溶接の継ぎ目といった凹凸がある箇所は流れた水が貯まりやすく、錆びが出やすいと言えます。
そのため内部の防錆施工は表面の防錆と同じく行うべきだと、当社では考えております。
たとえばディーラー純正のアンダーコートでも、内部までは施工していないというケースは散見されます。
勿論きちんと内部まで施工されている、モラルと技術のある施工業者も数多くあります。
既に防錆施工をされていて不安な方は、再度確認してみてはいかがでしょうか。
テクノプロタカイの車体内部の錆対策
浸透性に優れたノックスドール750を内部に施工
ノックスドール750という浸透性の高い防錆剤をフレーム内部に吹き付けます。
750が薄い撥水性の被膜を形成し、水分が車体の内部にたまりづらい状態を作ります。
サスペンション、メンバー、アンダーフロアサブフレーム内部も標準施工
確実な防錆を希望されるのであればサスペンション、メンバー、アンダーフロアサブフレームの内部まで防錆剤を浸透させるのがベターです。
当社ではアンダーフロアの基本作業での標準施工部位となりますので、ご安心ください。